第74回みんなで平和を考えてみる集い

日時  2018年9月16日(日)10時~12時15分

会場  小金井市市民会館萌え木ホール(商工会館3階)

演題  朝鮮半島情勢と日本の進路

            ~改憲・軍拡は必要なのか~

話す人 山田  朗さん(明治大学教授、日本近現代史・軍事史)

山田 朗さんプロフィール

   1956年大阪府生まれ。79年 愛知教育大学卒業、85年 東京都立大学(現・首都大学東京)大学院博士課程をへて、都立大学助手、94年明治大学文学部に勤務、99年より同学部教授。2010年より明治大学平和教育登戸研究所資料館館長。  専攻:日本近現代史・軍事史・天皇制論・歴史教育論。

   主な著書に『日本は過去とどう向き合ってきたか』(高文研、2013年)、『昭和天皇の戦争 -「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと』(岩波
書店、2017年)、『日本の戦争:歴史認識と戦争責任』(新日本出版社、2017年)他多数。

朝鮮半島の平和と繁栄こそが最大の日本の安全保障

    今年になって朝鮮半島に歴史的な変化が訪れています。4/27南北首脳会談と6/12米朝首脳会談で朝鮮半島の非核化、朝鮮戦争の終戦、北朝鮮の体制保証等が話されました。

   しかし安倍政権は昨年、北朝鮮を「国難」とまで敵視して、依然として日朝交渉に関して圧力は緩めない、拉致問題の解決が先、との姿勢を変えていません。

  日本には朝鮮半島を植民地化した過去があります。南北の分裂国家は日本の敗戦による独立から生まれました。私たちの歴史認識も問われています。

   北東アジアに平和と繁栄が実現すれば、日米安保や改憲の根拠が大きく揺らぎます。  アジアとともに生きる日本の進路と課題について、山田さんにお話しいただきました。 

 

当日の講演記録

当日の模様

当日の講演資料

講演レジメ・朝鮮半島情勢と日本の進路.pdf
PDFファイル 3.1 MB

参加者アンケートのまとめ

 

【参加者数】

参加者 139

【参加者住所】

小金井市内74人、市外65人 

【参加回数】

初参加14人 2回目9人 3回以上116人 

【アンケート回収数】

38枚(よかった37枚 ふつう0枚 よくなかった0NA 1枚)

【講演を知った機会】(複数回答あり)

.郵送案内のはがき(25) 2.市民掲示板のポスター(6) 3.新聞折込のちらし(1) 4.HPで(0) 5.友人・知人から聞いて(1) 6.メディアの案内情報(2) 7.その他(0) 

 

参加者の声

 

    戦争をすることによって潤う権力者が、庶民に何も知らせないことで特権を維持してきた歴史が、たくさんのデータからよく見えてきました。アメリカは戦争をし続けなくては成り立たない国なので、その歯車に合わせえることがいかに危険なことか、よくよく想像力をはたらかせたいと思いました。

2   こうやって軍事の研究をなさってくださる方がちゃんといて、具体的なデータがあると、いかに日本が危なくなっているかよく分かります。友人が憲法改悪賛成で、米国と一緒に普通に戦える国になった方が良いと言います。しかし、財源はどうする?という考えがすっぽ抜けていると私は思いました。まさに国が亡びては国防などないわけで、その思いを確信させていただきました。ありがとうございました。

3  落ち着いたはなしで良かったです。

4  事実、現実に即した話で非常に分かりやすかった。

5  講演は軍事力の比較など含めてとても分かりやく良かったです。「朝鮮有事の可能性ない」なるほどでした。「昭和天皇の戦争」読んでぜひ山田先生のお話が聞きたくて参加しました。ありがとうございました。

6  時機にかなったすばらしいお話でした。戦力に対しても国民の目線が必要でないと、気が付いたら戦争に巻き込まれるのかと恐ろしく、また自覚が必要と痛感しました。山田先生のお話にはいつも感銘を受けます。小金井のみなさまに今日の機会をいただいたことを感謝します。

7   民意の形成のため高齢者は意識しているが、50代以下から若者といわれる世代と対話が必要だと思うが、どうしたら実現できるかが分からない。若者の考え方を知りたい。

8  北朝鮮、中国を含めた現在の日本の置かれた状況について、示唆に富んだ講演で、全体像が資料を基にして明確に理解することができました。また近いうちにぜひ再度お願いしたい。

9  軍備についての詳細、リアルな報告があり勉強になった。軍備の具体的な面から平和や非軍事の重要性を再認識できた。

10  詳細なデータをもとに分かりやすくお話いただきました。軍事のことは日頃は関係ないことなので一般の人は無関心ですが、もっと関心を持ち、考え行動しなければならないと思いました。

11 マスコミ報道の範囲でしか知らなかった朝鮮情勢について理解を深めることができました。

12 講演内容が非常に良かったと思います。ただこんな大切な講演、参加者がほとんど年配の人たちばかりで若い人が見られない、この国の現状を物語っていると思います。現実の動きに対する鈍い感覚とか政治思考能力のレベルの低さがこの国の若い人の特徴だと思います。アベなどは政権を私物化して韓国のパククネ前大統領と同じ犯罪だと思います。一方は刑務所、他方は三選確実、こんな反知性、無教養な人間が三選されれば本当にこの国は絶望です。

13  大変分かりやすく、日本の軍事力の現状がよく分かりました。軍拡が確実に進行していることをきちんと受け止めなければならない、と思いました。何ができるか、考えてみたいと思います。

14  普段聞けなかった軍事関係のことを具体的に詳しく講演していただき、とても良く分かりました。中国やアジアとの付き合い方を、もっと真剣に考えることが大切だと痛感しました。脅威論はつくられるもの、こういうムードには流されない心構えが必要だと思います。

15  明治維新前後で日本と清国の関係に変化があったこと、以降150年で日本人の中国意識が低下していること、勝海舟の清国尊重論の紹介※は興味深かったです。

※勝海舟は日清戦争に反対して、「中国はいまは列強の侵略を受けて調子悪いけれども、そもそも清国はアジアの大国であることに変わりはない。大国だからといって無用に卑下することもないが、徒に争うのもよくない。」と語った。これも一つの見識だ。中国との付き合い方を近代の日本は間違ってきたのではないか。」 

16  本日のお話しは、日本の進路としてとても参考になります。安倍外交は。日本の未来にあまり役立っていないという実感があります。例えばロシアとの北方四島交渉や米国追随問題等です。北東アジア地域での立ち位置が、今後重要になるものと思います。

17  知らないことがたくさんあった。また新たな視点も与えていただいた。兵器についてほとんど知らなかったが、自衛隊の状況を知らないといけないと思いました。ありがとうございました。若い人たちの話しが出たが、陸軍登戸研究所の映画を撮ったのは若い人でしたね。

18  講演の内容は非常に分かりやすく丁寧な説明、豊富な資料で、今までにない説得力のある内容でした。自衛隊についても、実際には、軍事力を増強している状態が良く分かった。災害援助だけに目を奪われていると、大変危険だと感じた。朝鮮情勢をいろいろ聞きましたが、今回初めて本当に理解が進みました。ありがとうございました。

19   とてもよい講演でした。先生の本を購入してさらに勉強したいと思います。

20  長さを感じなかった。分かりやすい語り口で良かった。またなかなか目にすることのない空母風の艦船写真も見せてもらい、具体的なイメージが湧いた。自分の意識を高く、強く持つことが必要だと思いました。

21  先生の博識に驚嘆しました。教養を高めることが平和を追求するうえで重要であることを痛感した次第です。ありがとうございました。

22  安倍政権が改憲をがむしゃらに進めようとしていることが最大の問題ではあるが、あまり注目されないままに米国と共同でどんどん戦闘訓練が行われているらしいと思っていましたが、今日の講演でそのことがかなりはっきりしてきたのがよかった。

    質問にもていねいに答える姿勢に好感を持ちました。そのなかで軍事費の内容を、(今の軍事予算5兆円には旧軍人恩給と現在の自衛隊員OBの年金合計の約3兆円が含まれていないため)視点を変えると8兆円が現在の日本の防衛費になってしまうことを知り驚きました。(相手国が日本を脅威だと思わない)脅威をつくらない戦略を作り上げていくことを勉強していきたい。

23  軍隊を持たない国にしたいと思います。

24  データを基に世界の軍事力との比較、分析からかなり戦争への道へ前のめりになっている安倍政権の現状が理解できました。明治150年、勝海舟の話しは面白かった。企業による動員兵役という手段が考えられていること…参考になりました。

25   資料をたくさん使い分かりやすく説明されて内容がとてもよかった。軍拡の問題が深刻であることがよく分かりました。(企業や)民間人の軍事協力義務もびっくりしました。講演からの知識を地域でも広めたいと思います。ありがとうございました。 

26  戦争のできる国になってしまっている。絶望社会みたいで悲観的にならざるをえない。講演の最後のしめに期待するしかない。とりあえず安倍政権を倒して、革新勢力を拡大するしかない。国民が目覚めるのを待っていられない。今の憲法を守りぬいて民主主義を身に付けて、何十年後かには独立国としての真に国民主権の憲法を持つことであろう。北東アジアの経済開発に貢献するべきだ。

27   安倍政権の交戦権の保持、軍拡は日本にとって何をもたらすのか。アメリカの使用済み兵器ばかり購入して、日本の軍事力はアメリカ補完のための軍拡でしかない。日本に自主的外交権はあるのか、アメリカがそれを許すのだろうか。

28  すばらしい講演でした。

29  今日のテーマに関して少しは分かっていたつもりでしたが、講演を聞いて自分の考え、理解が浅かったのが分かりました。大変よい勉強になりました。深く考えていきたいと思います。

30  大変分かりやすい話でした。

31  ていねいな説明と資料などで、現状の半島情勢が理解できました。政府の言っていることに惑わされてはいけないのですね。どんな質問にも即答される先生の説明力に感動しました。

32   山田先生のお話しは、冷静沈着、理路整然としていて大変勉強になりました。ありがとうございました。昨年3月に初めて訪韓して以来、計三度訪韓し、日本の犯した歴史的侵略の事実や南北朝鮮問題について身近に触れてまいりました。南北統一に向けて、今我々日本人に出来ることがあるとしたら、憲法9条を守り平和主義を貫き通すことだと思いました。

 

■過去の講演記録■■■

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2016年12月4日(日)

午前10時~12時

ピースアクション講演会

「もしも、自民党改憲草案が実現したら?」

場所 小金井市萌え木ホール

参加費 500円

主催 こがねいピースアクション2015実行委員会

1204内山宙さんチラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

過去の講演関係の

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