第76回みんなで平和を考えてみる集い

日時  2019年3月9日(土)14時~16時15分

会場  小金井市市民会館萌え木ホール(商工会館3階)

演題  歴史の忘却がつくりだす「日本人らしさ」

            ~「日本スゴイ」国策の現在~

話す人 早川  タダノリさん(編集者)

早川タダノリさんプロフィール

1974年生まれ。戦前・戦中の大衆雑誌やプロパガンダ資料を蒐集。フリーの編集者。

著書に『神国日本のトンデモ決戦生活』『原発ユートピア日本』『憎悪の広告』(いずれも合同出版)『「愛国」の技法』『「日本スゴイのディストピア』(いずれも青弓社)などがある。

危ない!それはいつか来た道~戦争の記憶と平和の継承を考える~

テレビのバラエティー番組などで、やたらと「日本はスゴイ」を押し出すものが増えたことに、うんざりしている方も多いのではないでしょうか。実はこれ、テレビだけの傾向ではありません。

   書店ではヘイト系や日本礼賛の書籍が平積みになっています。

  「日本スゴイ」とは、「「日本」や「日本人」が、歴史的・文化的あるいは道徳的なすばらしい特性を持っていて、世界的に優れたものだと賞賛してみせるコンテンツ」のことを指しています。

  1990年代なかばから「日本人としての誇りをとりもどせ」というスローガンのもと、歴史修正主義と軌を一にして台頭してきた潮流です。

  現在、安倍政権は「クールジャパン」戦略のなかに「日本スゴイ」コンテンツを組み込み、「日本人らしさ」や「日本の伝統」なるものを再定義しつつあります。小学校・中学校で正式な教科となった「道徳」教科書にも侵入しつつある「日本スゴイ」。

  この現代の国民統合イデオロギーについて考察しました。  

当日の講演記録

当日の模様

当日の講演資料

190309.早川さん講演レジメ 歴史の忘却がつくりだす「日本人らしさ」.pdf
PDFファイル 560.9 KB

参加者アンケートのまとめ

 

【参加者数】

参加者 113

【参加者住所】

小金井市内58人、市外55人 

【参加回数】

初参加24人 2回目2人 3回以上87人 

【アンケート回収数】

32枚(よかった30枚 ふつう0枚 よくなかった1NA 1枚)

【講演を知った機会】(複数回答あり)

.郵送案内のはがき(21) 2.市民掲示板のポスター(4) 3.新聞折込のちらし(1) 4.HPで(1) 5.友人・知人から聞いて(2) 6.メディアの案内情報(1) 7.その他(早川講師のツイッターで3)  

 

参加者の声

 

1 自分の国を自分でほめるようになったら終わりだとは思っていましたが、説得力のある資料とお話でありました。とりわけて戦前のお話がそのまま出て来ているのは本当に驚く、新たな国民統合の動き、というのは全く同感です。

2 講師の方の考え方、研究の仕方がとても面白かった。笑いのうちにも今の「日本エライ」のコンテンツの危うさが伝わってきた。

3 大変面白かったです。久し振りに腹を抱えて笑えました。とりあえず笑ってこの深刻な状況に立ち向かっていきたいものです。

4 「日本スゴイ」の本質的な問題が理解できました。

5 ネットのコピペ拡散(まさにオルタナティブファクトの氾濫)のアホらしさを前にして、当時のブツ(古本)を根拠に確実な言説をブツけるお仕事、あらためて目の当たりにして嬉しくなっております。ありがとうございました。

6 「クールジャパン政策」といいつつ、コンテンツ制作のスタッフにきちんとペイする仕組みがなおざりにされていて、結果、優秀な人たちが海外流出しているのが現状です。(なんでも中国の映画制作のスタッフをするとギャラがよいとか)

すでに「精神論」で乗り越えようとする修身道徳が一般化しているのかも知れないと思いました。ネット上の「日本スゴイ」「日本大好き」を見ていて、スゴイだの好きだの言うわりに、伝統や文化については「知らない」「思い込み」を散見します。

7 大変お話が面白く、今まで気付かなかった内容が多かった。ためになりました。

8 大変興味深いお話を面白く伺わせていただきました。ありがとうございました。

9 ファシズムについて研究しています。国家や軍隊が暴走する背景には、必ずそれを下支えする大衆がいることが分かります。ナチスドイツも日本の軍隊も原動力となったのは、官民・メディアが一体となり「自分の利益だけ」を考えて、徹底的に煽りあった独特の社会があったからだと思います。メディアコントロ-ルに長けた現政権の政治手法や、それに乗っかり何も批判しないメディア、出版界の状況、見て見ぬふりの有権者…。ファシズムがいつ表に出て来てもおかしくありません。

早川さんのお話を聞いて、これだけたくさんの現象がわき起こっているのだから、オカルト社会化する日本に気付く人が増えて欲しい、と改めて思いました。

10 大変興味深かった。「無意識のうち」に国家にからめ捕られているのでは、と感じてしまう。

11 歴史修正主義者が言う自虐的日本観と、今日の講演会のテーマは違うことをどこかで言って欲しい。我々も日本は大好きだし美しいとは思うが、彼らの歴史修正主義的な日本観とは全く違うのだ、ということを示したい。

日本の悪口ばかり言っているとは言われたくない。我々の考える美しい日本観のモデルを時には示した方がよいと思う。もう少し肯定的な面を示して欲しい。今日の講演を聴いてゲラゲラ笑っているのを聞いて、危機感を覚えました。本当は笑いごとではない、本当に恐ろしいことなのですから。戦争の最終段階で生まれた人間としては、本当に笑いごとではないのです。

12 笑えない話しなのに、思わず笑ってしまいつつ、事の根は深いところまで張っていると思わせられました。ありがとうございました。

13 とても面白かった。でも裏で笑っていられない動きが進んでいることを知りぞっとした。もっと警戒しないといけないと思った。でも実際は経済的にも技術的にも、もちろん政治的にも(日本は)劣ってきていると思う。それを気付かせないために、日本スゴイと同時に韓国や中国に対する揶揄が増大していると思ったが、国威発揚のためだと分かった。

14 ありがとうございました。いろいろ参考になるお話で面白かったです。今の政治が続く限り、日本の国がおかしくなるのではないかと危惧しています。早くよくなるよう願っています。○○会議の人たちが今の政権を支えているようですが不安を感じます。

15 おもしろく笑いながら聞かせていただきながら、よく考えると恐ろしさにギョッとしてしまうお話でした。ありがとうございました。

16 いつも不安を感じているメディア、教育について、また違う切り口で問題提起していただき勉強になりました。ありがとうございました。Q&Aの時間と段取りが工夫されていたと思いました。いろいろなご意見が聞けてよかったです。

17 テレビ番組などを通じて「日本スゴイ」の国策にはまってしまっていたかが分かりました。気を付けたいです。本当に勉強になりました。

18 歯切れが良く大変勉強になりました。

19 昔は良かったと言うけれど、 日本人は昔を忘れている。「旅の恥はかき捨て」が日本の文化だった。旅先の宿で器物をくすねる輩が私の身の回りにもいた。罪の意識などないのであろう。「パクリ-ランド」と中国をバカにするけれど、日本もかつては西洋の物まねが多かった。

20 具体的で話し方も上手で大変よかったです。

21 日々の情報について、現政権はマスメディアをコントロールしているだろうから、すぐに信用しないようにしていましたが、本人のお話を聞いて「日本スゴイ」(の問題)を学ぶことができよかったです。

22 とても面白かったですが語りがおもしろすぎて、ではどうすればいいのかという方向に頭が向かわない恐れも感じました。私だけかもしれませんが。

23 早川さんのお話は、元々が明快で分かりやすいうえに、PPTも上映されたので内容を感覚にも刻むことができました。ありがとうございました。

24 日ごろテレビで見る日本人偉い、の言葉が気になっていました。本日、その意味をまとめて伺い腑に落ちました。本当に同感の思いでいっぱいです。この流れを少しでも抑えたいと思います。

25 “日本スゴイ”そうではないよ!と思っていたが、今回確かなものとなった気がします。

26 今までの講演会のなかで一味違ってとても新鮮でした。メディアを信じ過ぎるのはよくないと思った。自分の頭でしっかりと考えていく材料を与えていただきました。ありがとうございました。

27 専門的に調査、研究されている方ならではの話しが聞けて良かったです。戦前の書籍の紹介が面白かったです。

28 楽しく分かりやすく学べました。もっとお話を伺いたかった。

 

■過去の講演記録■■■

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2016年12月4日(日)

午前10時~12時

ピースアクション講演会

「もしも、自民党改憲草案が実現したら?」

場所 小金井市萌え木ホール

参加費 500円

主催 こがねいピースアクション2015実行委員会

1204内山宙さんチラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

過去の講演関係の

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