日時 2017年2月19日(日)10時~12時15分
会場 小金井市市民会館萌え木ホール(商工会館3階)
演題 米国新政権と日本の安全保障 ~トランプと安倍のダブル暴走の行き着く先は~
話す人 孫崎 享さん(東アジア共同体研究所所長・元外務省国際情報局長)
■孫崎 享さんプロフィール
東アジア共同体研究所所長。1943年旧満州国鞍山生まれ。東京大学法学部中退、外務省入省。英国、ソ連、米国、イラク、カナダ駐在、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を歴任。防衛大学校教授を経て2009年3月退官。
主な著書に『日米同盟の正体』『戦後史の正体』『日米開戦の正体』『日本の領土問題―尖閣・竹島・北方領土―』『小説外務省―尖閣問題の正体』、『小説外務省Ⅱ―陰謀渦巻く中東』、『21世紀の戦争と平和』等。
■トランプリスクにいつまで続く安倍政権の対米追随路線
昨年11月、安倍首相はアメリカ大統領選挙にトランプ氏が勝利するや否や真っ先に会いに行き、移民排斥、女性蔑視・差別はじめ数々の暴言で批判を浴びているトランプ氏を「信頼できる指導者だと確信した」と絶賛しました。
そのトランプ大統領は、「力による平和」を外交政策の中心に置いて軍備増強を図り、「アメリカ第一」を唱えて日本に対して在日米軍駐留経費の負担増や、米軍の肩代わりになる自衛隊の海外派兵の増員を要求してくる、と言われています。
こうしたトランプリスクに対して、安倍政権は対米追随路線の修正ができるのでしょうか。
安倍首相は、日米軍事同盟を「不変の原則」と賛美し、治安維持法の復活と言われている テロ対策法(共謀罪)制定や明文改憲をめざして、「戦争ができる国」づくりに暴走しています。
「日本の安全はアメリカに守ってもらっている」との認識が続く限り、日本の対米隷属が続く。日本が自国の国益に合致する外交・安全保障政策を立案できるためには、「日本は米国に守られているわけではない」という事実認識が出発点だ、と孫崎さんは話されました。
そしていま、安倍政権下で民主主義と自由が砂のように失われていく、自由と民主主義は勝ち取って手に入れるものだから厳しければ厳しいほどみんなが頑張る、そういう時代に来ている、と結びました。
■当日の講演記録
■当日の模様
■参加者アンケートのまとめ
【参加者数】 |
参加者 186人 |
【参加者住所】 |
市内81人、市外105人 |
【参加回数】 |
初参加45人 2回目23人 3回以上118人 |
【アンケート回収数】 |
48枚(よかった42枚 ふつう4枚 よくなかった0枚、Na2枚) |
【講演を知った機会】(複数回答あり) |
1.郵送案内のはがき(30) 2.市民掲示板のポスター(3) 3.新聞折込のちらし(3) 4.HPで(1) 5.友人・知人から聞いて(5) 6.メディアの案内情報(9) 7.その他(1) |
■参加者の声
1 大手メディアが「知らせたがらない」情報を詳しく解説していただき大変参考になりました。先日の安倍首相の答弁「最先端技術を用いた米国の(防衛)整備品は、我が国の防衛に不可欠だ、安全保障と経済は分けて考えるべきだが、結果として米国の経済や雇用にも貢献するものとして考えている」がとても怖いと感じました。戦争と大企業、財界の意向には、米国の経済システムに密接に結びついていることを示す答弁でした。 |
2 漠然とした情報収集では、真実は捉えきれないということがよく分かりました。今日の話しを聞き、いくつかの気付き、理解を深めることができました。大変よい内容、話題でした。安倍政権の動きは、戦前の動きに酷似していることは感じています。戦争は絶対に避けるべく、世論、市民の動きが大切だし少しでも行動に結びつけることが大切です。 |
3 大変よかった。日本のマスコミが知らせない隠ぺいしていることを明らかにしてくれて、今後の考えていく視点をつくることができました。リテラシーが大切だと思います。 |
4 安倍政権になって戦争準備が進んでいると感じています。戦前、二二六事件、天皇機関説、産業報国会、治安維持法…が進められ戦争に突入しました。安倍政権になって軍事技術研究補助、ミサイル輸出、共謀罪、マスコミ圧力…が進んでいます。またマスコミ対策としてテレビの「バカ番組」が蔓延っています。非常に気になります。 |
5 大変興味深いものでした。情報操作を見破りリアルな認識が貫かれていることに改めて感心しました。今日のようなお話を伺うにつけて、日本国内の情勢の情けないことがいっそう強く感じられた次第です。問題は国内の情勢をどう反転させるかです。そのための方法、手段を話し合いたいと考えます。 |
6 中国脅威論に対して明確な話があり、非常に参考になりました。 |
7 興味あるお話で大変よかったです。 |
8 アメリカファーストの真の意味が分かりました。とくに経済分野での。 |
9 昨年参議院選挙戦に向けて高校の同期生5人で有志の会をつくり、同期生300人に3回、参議院選の後1回戦争法案反対のチラシや署名用紙など自分達の意見を送りました。どれだけの効果があったのか疑問ですが、原発の問題、戦争反対を訴えられずにはいられませんでした。 |
次に向けては、それぞれ町会議員に立候補を決めた人、生協の活動の中で訴えたいと思う人、地域で頑張りたい人、反省としては若い人にどのように訴えていくのかで、やはりネットを使う話しが出ています。知らないことが多く分かりやすかったのでとても良かったです。 |
10 アベ政治でなにか良いことがあっただろうか。悪いことは幾らでも思いつく。良いところが見当たらない。息を吐くように立て続けに嘘をつく。よくもいけしゃあしゃあとしていられるのか。指摘が正しいとすぐ怒り、笑い飛ばす。デンデン総理に遠吠えすらできないメディアのていたらく。これでは日本がダメになる。 |
11 いま日本で進行している現状で危惧しているのは、とくにアベ政権になって公務員への締め付け、統制が厳しくなっていることです。国民の公務員から国家権力の公務員への改造が進んでいることです。 |
12 分かりやすいお話で大変勉強になりました。 |
13 最近の国際情勢を学べて良かった。 |
14 日本が世界に貢献することはたくさんあると思いますが、そのような動きに価値を見出す人は余りいないのですか。もうからないから?尊敬される国になって欲しい、自分で自分を褒めるのではなくて!余人をもって代えがたいなど、自分で語らない品性を。 |
15 ありがとうございました。大変参考になりました。 |
16 分かりやすかったです。 |
17 質疑応答の時間が多かったのが、とくによかったです。さすが講師の力量の大きさですね。 |
18 知らない事実が明白になった。会場が狭すぎる。講師の著名度から予想はできたはず。講師にも失礼です。 |
19 マスコミの状況がいかに操作されているか実際例でよく分かりました。また若い人の使う情報交流手段を利用する重要性についても考えさせられました。しかし、トランプ、安倍の特性に関する話に重きが置かれ、日本と米国の今の関係が世界の動きのなかでどういう意味を持つのか等、広い視点からの見方について意見を伺いたかった。地位協定にも記載のない米軍経費をなぜ日本政府は拠出するのか? |
20 お話のありました内容で意外なことはありませんでしたが、金正男暗殺が今後世界では歪んだ流れがいっそう深まるのではないかと思います。例外事項でしたが、当該事件の話しもお聞きしたかったです。 |
21 ものごとの本質がどこにあるのかご丁寧に説明いただき大変分かりやすかったです。ありがとうございます。 |
22 今まで知らなかったことがあまりにも多く、もっと勉強しなければ、と反省しています。 |
23 かねてより孫崎享さんの存在が自分と共感します。 |
24 知っていることもあったが、知らないことも多くあって非常に良かったです。 |
25 予想どおりすばらしい。 |
26 大変有益な講演でした。 |
27 質疑応答が面白かったです。 |
28 ありがとうございました。 |
29 現在は先の太平洋戦争以前のかたちと似ている。安倍首相は、権力を我が物顔にしている。国会で一番頭に来るのは、しっかり答えていないこと、黒塗り資料ばかりなこと、機密だとして答えないこと、関係ないことをむやみやたらに話すこと。 |
30 政権について反対と意思表示をせず、黙っていることは同罪。次世代の若者に継承したい。講演を聞くだけでは発展はない。 |
31 期待が大きかっただけに話の内容が新聞やテレビですでに報道されたモノ、孫崎さんの本に書かれたモノ…以上の新鮮な驚きに満ちた内容がなかったことが残念です。さらに、話の展開が書かれた文章のように論理的でなく、断片的なエピソード(素材)の羅列になってしまった。残念です。 |
最後の20分はようやく面白くなった。ウズベスク、モンゴル、カザフの例から「中国脅威論」の修正に向かった話は良かった。質疑になってようやく「孫崎節」が出てきた。もっと早くからそうして欲しかった。 |
32 孫崎さんの講演は何回も聞いているが、講演内容に大いに満足するときとそうでもなかったときの落差が大きく、今日の講演はどちらかというと不満足だった。というのは講演のタイトルにしてある「米国新政権と日本の安全保障」のとおりの最新情報に関する内容が少なく、過去の話しが多かったから。先日のアベ訪米についての話しからもっと今後の展望の話しをして欲しかった。 |