第39回みんなで憲法を考えてみる集い

講演      平成から令和へ?日本はどこに行くのか

話す人   西谷   修 (にしたにおさむ)さん(東京外国語大学名誉教授)

日時  2019年5月19日(日)10時~12時15分

会場  小金井市市民会館萌え木ホール(商工会館3階)

西谷 修さんプロフィール
   1950年、愛知県生れ。明治学院大学、東京外国語大学大学院、立教大学文学研究科の教授を歴任。フランス現代思想の研究をベースに、戦争論、世界史論、ドグマ人類学などグローバル化した世界の諸問題を広く論じる。

  「立憲デモクラシーの会」呼びかけ人。

   主著に『不死のワンダーランド』(青土社)、『〈テロル〉との戦争』(以文社)、『理性の探求』(岩波書店)、『アメリカ、異形の制度空間』(講談社メチエ)など。

平成とはどんな時代だったのか
   平成天皇は、昨年12月の誕生日会見で「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵しています。」と語りました。
   平成とは、平和が脅かされて右傾化が進んだ時代として記憶されるのかもしれません。
   この間、新自由主義経済のもとで格差と貧困が広がり、安倍政権による行政の私物化(モリ・カケ問題等)と沖縄米軍辺野古基地建設反対の民意の徹底否定、官僚の隠ぺい、改ざん、忖度(そんたく)の横行など、この国のかたちがどんどん劣化しました。
令和の時代の日本の針路は
   自衛隊を憲法9条に明文化して軍備を拡大し、対米従属をいっそう強めて戦争ができる国づくりを進める。最後の仕上げは、平和憲法を否定した自民党改憲草案の実現・自主憲法制定です。

   令和をそんな時代にしてよいのでしょうか。
   西谷修さんは、いま憲法についていろいろな意見がある、しかし非戦、民主主義、生きる権利、こんなことをベースにした憲法は、あの敗戦がなかったら、世界戦争がなかったら生まれなかった、これを崩してしまうと二度と世界中でこんな憲法はできない。ここが我々にとっての、世界の未来にとっての踏ん張りどころだ、と語りました。

当日の模様

当日の講演資料

190519講演レジメ.pdf
PDFファイル 467.0 KB

参加者アンケートのまとめ

 

【参加者数】

参加者 114

【参加者住所】

小金井市内52人、市外62人 

【参加回数】

初参加9人 2回目4人 3回以上101人 

【アンケート回収数】

38枚(よかった28枚 ふつう1枚 よくなかった5NA 4枚)

【講演を知った機会】(複数回答あり)

.郵送案内のはがき(27) 2.市民掲示板のポスター(4) 3.新聞折込のちらし(1) 

4.HPで(0) 5.友人・知人から聞いて(2) 6.メディアの案内情報(2) 7.その他(1)  

 

参加者の声

 

 歴史的かつグローバルな視点から優れた内容だった。

 新自由主義~戦争~経済優先(政治劣化)の関係性のお話があり、日本国憲法(非戦である)があらためて重要であると思いました。

 日本の天皇制が変わる、国民に寄り添って令和の平和を守っていくためには現在の政治を転換していかなければ。近いうちに日本は亡びるのではないかと危機感を憶えます。

4 視野の広さ、知識の深さ、鋭い批判意識があり良かったです。

5 日本はいったい何のためにこの地球に存在できるのか。先日ある方から、日本はこのままでは1020年経過後、最低の国になると聞かされた。西谷先生のお話しに感動しました。

6  元号についての詳しい説明、起源など興味深いお話でとても良かったです。西谷氏の書籍など、今後読みたいと思います。人権、正義、非戦、民主主義をしっかり足場にしたいと思います。日本国憲法を残すこと!

7 西谷氏の静かな語りが心に沁み込んだ。特に最後の憲法の話しが! 幕末から明治改元は勉強になりました。

 大変有益でありました。日本のあるべき姿がよく分かった。

9  明治から大正の改元前に大逆事件の関係者の大量死刑があった。平成から令和の前にもオウムの死刑執行を一気に行った。恐ろしい共通点だ。明治憲法こそ外国から要請された憲法だった。日本会議の主張には矛盾があるご都合主義。

10  元号のお話はとても分かりやすく、面白く楽しかった。特に明治から大正にかけて国民国家形成の過程はよく分かって良かった。そしてラストの新自由主義の変遷のお話はお見事でした。

11  そう言えば、平成はどうだった、令和はどうなるのか、という考え方はおかしい、と確かにそう思いました。

12  歴史書をいろいろと読みましたが、それだけでは理解できなかったことがらを分かりやすく解説していただきました。日本人を繭に閉じ込める手段として元号を使っている、という表現は大変分かりやすいと思いました。

13  「この憲法がなくなったら、二度とこういうものはできない、これを失ってはならない!」という言葉が良かったです。

14  西谷先生から歴史の理論的発展というか西洋史から日本史までの流れの説明が良く分かりました。とくに平成の分析が見事でした。アメリカの世界戦略の恐ろしさがよく分かりました。世界人権宣言の意味合いが、今こそ世界を救うということがよく分かりました。日本国憲法も世界の見本になることがよく分かりました。西谷先生の話しがとてもすばらしく話が上手でした。

15  ありがとうございました。ご意見に同感でございます。子や孫たちに伝えて行きたいと思います。日本国憲法すばらしいと思います。ずっと続きを聞き続け、学んでいきたいと思います。

16  幅広い話で良かったです。

17  西谷先生ならではの、いま私たちが何を考え、大切にしていくべきかを、壮大な歴史のバックグラウンドをもとにお話しがうかがえて大変よかった。少し元気をいただけました。

18  テーマから想像していた講演内容が期待外れでした。「これからの日本」について、いま何が問題か、それを解決する方策に特化した話を聞きたかったです。

19  話題提出の方法がなんだか理解しにくかった。今の状況を少しでも正確に捉えたいと思って聞きに来ました。

20  人権について、日本とアメリカの軍事関係がこのままの状況で良いのか、もう少し時間を割いて説明があったらよかった。日本国憲法の重要さをあらためて考え直さなければならないと思いました。

21  権力による操作に腹が立ち続けていたが、droitの訳し分け(操作)のことを聞いて、そうだったのか!と思いました。最後の最後の憲法の話しは、考えたこともありませんでした。権力者には長期的視点がないと思う。みんなが元気よく生活できる、みんながそれぞれの物語を持てる世の中にしなければ、子どもを産む気も失せると思う。そうすれば権力者がいくらアメリカをよいしょしても、権力者ではいられなくなる。バカとしか言いようがない。

22  内容が期待していたものと違いました。

23  今日の講演に期待したのは、このたびの令和フィーバー現象の意味するもの、なぜこんな現象が起きているのか、誰がこれを操り、操られているのか、というようなもう少しミクロ的、足元的な視点で捉える内容であった。しかし今日の話しの内容はあまりにも広範で、キリスト歴紀元の話しから始まり、歴史的回顧に時間の大半が使われ、講演のタイトルに即した話とはかけ離れたもので、期待外れとなった。

レジメはそれなりにまとまっていて、それに則して話が展開されればもっと良かった。今日の講演内容は気付きが少なくて残念だった。ピンポイントで令和フィーバーのことも考えたかった。

24  新天皇の一般参賀にオメデタイ国民とくに若い人たちの参加にはびっくりです。このままでは憲法改悪、徴兵制復活は必至でしょう。この講演は話し方のせいでしょうか、よく分かりませんでした。

25  歴史的過去の話しが長かった。代替わり、元号変更それ自体に何の歴史的意味はない。しかし今回の安倍政権、マスコミ、「知識人」らによってつくられている元号フィーバーが、世の中の相を劣化させている。この歴史的位相の意味を話して欲しかった。ネオコン、ネオリベ、テロとの戦争の話しは面白かった。最後の質問者と西谷先生の応答は面白かったです。

26  西谷さんのお話しは、よく考え抜かれていてさすがだと思った。特に最後の現行憲法への言及は世界史上の意義も踏まえており、蒙を啓かれた。それだけにマイクの不備は悔やまれる。予備のマイクを1本は用意しておくべきだ。会場にないなら小型メガホンでも。この点についての事務局の不手際は許し難い。再考と改善を強く求める。

27  話が佳境に入ったところで時間切れとマイク不調になったのが残念です。

 

■過去の講演記録■■■

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2016年12月4日(日)

午前10時~12時

ピースアクション講演会

「もしも、自民党改憲草案が実現したら?」

場所 小金井市萌え木ホール

参加費 500円

主催 こがねいピースアクション2015実行委員会

1204内山宙さんチラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

過去の講演関係の

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