▶2011年5月8日 第31回みんなで憲法を考えてみる集い

日 時 5月8日(日)10時~12時

場 所 小金井市市民会館萌え木ホール(商工会館3階)

演 題 憲法とメディアのいまを考える

    ~二度と戦争のためにペンをとらない誓い、いま新聞は大丈夫か~

話す人 東海林 智さん (新聞労連委員長、毎日新聞記者)

■東海林 智(とうかいりん さとし)さんプロフィール

 1964年山形県生まれ。88年法政大学法学部卒、毎日新聞社に入社。大阪社会部、「サンデー毎日」、横浜支局デスク等を経て社会部で厚生労働省を担当。03年労働者派遣法改定の時にいち早く批判記事を書く。08年の「年越し派遣村」には実行委員として参画する。2010年から新聞労連委員長に就任。

 著書に『貧困の現場』『派遣村 国を動かした6日間』(ともに毎日新聞社)

【当日の模様】

 

大本営発表は昔のはなしか

 いま東日本大震災・福島原発問題で東京電力や政府機関からの発表に、データ改ざんや情報操作の疑問があがっています。「大本営発表」により正しい情報が知らされないまま誤った世論が形成され、悲惨な結果に至った歴史を忘れてはなりません。

 当局報道に寄り添い体制に飼いならされるメディアの貧困ぶりも指摘される一方で、いまメディアのちからは内閣支持等の世論調査で政局を左右させるほどの大きなちからを持っています。

ペンのちからに期待するもの

 「二度と戦争のためにペンをとらない」と誓って再出発したメディアの、ペンのちからに託す私たちの想いに、いまメディアは十分応えられているでしょうか。

 東海林さんは、労働記者として過労死問題や非正規雇用・派遣問題などを労働の現場から鋭く告発し、現在は毎日新聞記者から日本新聞労働組合連合会(新聞労連)の中央執行委員長として活躍中です。

 当日は、憲法とメディアのいまについて、取材記者の現場実例も豊富に語っていただきました。

【参加者アンケートのまとめ】

 

参加者 90名

参加者アンケート28枚回収(よかった26枚 ふつう2枚 よくなかった0枚)

講演を知った機会 1.郵送案内のちらし(14) 2.市民掲示板のポスター(4) 3.新聞折込のちらし(8) 4.友人・知人から聞いて(3) 5.メディアの案内情報(1) 6.その他(2) (複数回答あり)

 

【参加者の声】

 

1  新聞をみていて各記事の内容の傾向が各々違うのをみて、担当している人たちの違いを感じ面白いです。各紙の大元の大きな傾向はもちろんあること、広告の多少、傾向でも企業や政府上部へだいぶ身売りしているなと感じることがあります。お話を聞いて各社のなかで独自性、公平性を保つために身をもって働いている人々の存在を感じて心強く思いました。労組切り崩しが強い日本で、国民の情報の大元である新聞労連委員長が我々国民の味方であること、応援したいです。

2  メディアの現状について危惧していた状況がよく分かった。

3  講師のお話しは裏表のよく分かるお話しでした。「声を上げなきゃなかったことにされちゃう。なかったことにされないために声を上げる」ということは、現状を打破する鍵であると思いました。面白い話し振りもあり、貴重な話し手の出現を知った思いです。呼ばれたらどこにでも出向いてくださる由、『平和のための戦争展 小平』でもお話を伺うかも知れません、その節はよろしくお願いします。本日の企画は大変良かったと思います。

4  記者の方々は市民運動にどんどん参加した方がいいと思います。民意を汲み上げることもできるし、新聞各社のカラーも出てくると思います。

5  現場をよく知った方のお話しで、とても熱がこもりよかったです。人選もいつも感心しております。これからも続けてください。

6  いま新聞は大丈夫か~いつもそれを気にしながら新聞を読んでいましたが、今日のお話しを聞いて、メデイア、特に新聞を読むときプラスとマイナスを含めて読もう、読むことができるなと思いました。ありがとうございました。

7  記者も生身の人間として生きていることがよく分かりました。これからもその視点を大事にしてください。

8  平和と経済問題(雇用問題など)が別々で、自分は後者には通じているが前者の方は十分に語れないかのような「おわび」調のような話がありましたが、むしろ、経済問題を深めずに平和を語る方が危険な気がします。雇用問題の厳しさをネタに戦後民主主義の欠陥をあげつらうような論者もいますよね。平和のような大きなテーマは、政治やら経済やら文化やらいろいろな切り口があるはずで、自分の強い分野からそこへアプローチするスタイルは、ある意味地に足が着いた、普通の人も取り組める普及版のスタイルだと思います。

イデオロギー的な文脈に限らず、人々にはいろいろな色があり、色つきが問題なのではなく、それぞれの色がよさを殺し合わず、生かしあうことが大事だと思います。

9  今日の講演を聴いて①国家権力による報道や放送管制があり、放送や新聞協会も同調しているのではないか。②権力者や支配者にとって都合の悪い事が起きると、どうでもよいようなニュースを臨時ニュースで流したりすることが多い。「困った時の三浦和義さん」あるいは以前から把握していた酒井法子麻薬事件、そして沖縄県知事選直前の中国漁船による巡視船衝突事件を報道し、「やっぱり防衛、軍備は必要ね」という国民意識を誘導していく。③記者が国民に知らせようとしても経営側に不利になるものは、没原稿にしてしまう。真実を報道しない(隠す)ことが新聞不信につながっているのではないか。以上感じました。

10 マスコミの現場経験のある委員長の内容でよかった。真実を語る記者「たましい」に感動しました。

 11 現新聞記者として中からの話を具体的に話していただき分かりやすく良かったです。新聞産業を取り巻く現状は、広告に寄らざるを得ない経営内容がやはり問題ですね。東海林さんの話された言葉の中で、“記者の専門性が弱まっている”このことは自治体も同じで非常勤職員を増やし正規の職員を増やそうとしない、そのことが市民サービス低下につながるのですよね。新市長に期待したいです。

12 二度と戦争のためにペンをとらない~という内容に期待して参加させていただきました。新聞界の実態が良く分かり、正しいことを正しいと言えない実態が良く分かりました。市民との共闘を強くして、新聞も強くなって欲しいと感じました。

13 孤立の中の自由(なかったことにされないように声を上げる)。東海林さん自身「自分は何のために何をしているのか…を考えながら行動している」とのお話しの派遣村での活動、頭が下がる思いで聞き入っていました。心より感謝です。これぞまさに「一人は万人のために、万人は一人のために」ですね。

戦後「言論の自由」は認められたが、「プレスコード違反」で刑務所に入れられた父のことなど考える。東海林さんのような方が一人でも多くいて「プレスの自由」を勝ちとれる世の中であって欲しい。

14 最近、森達也さんや上杉隆さんの著書を読み、さまざまなメディアの残念な状況をみてきたなかで、今回、新聞の現場にいらっしゃる東海林さんのお話しを聴くことが出来て本当によかったと思います。新聞もかなり厳しい状況にあることはよく分かりましたが、できれば決して我々と無関係ではなく、市民はメディアを監視するとともにメディアと連携してゆく必要があると感じました。

15 現在の日本のメディアの現状が分かり、話も面白く興味深く聞くことができました。

16 新聞産業の現状が詳しく学ぶことが出来た。

17 ジャーナリストとして、さらに人間として原点に戻って実践した話で、説得力があった。

18 知ることのなかった新聞業界の内実を知ることができ面白かった。

19 「憲法とメディア」といいながら、憲法の話はなかったのは残念。

20 新聞、新聞記者の状況が少し分かりました。問題のある事象の終わるころにもっともな記事が載ることが結構多くあって、何で?と思っていましたが納得。(残念ではありますが…) 新聞記者のがんばり、応援したいです。

   「沈黙するということは、なかったことにされてしまう」本当にそうですね、声をあげないといけないですね。ありがとうございます。

21 お若い方が委員長で頼もしい限りです。メディアの悲惨さは何となく分かっていたところですので、そんなものだろうと思っていましたが、東海林さん自身が派遣村アクションを起こしたということは感動的な話でした。週刊金曜日の北村肇さん(元毎日新聞)が、原発問題に関して、新聞記者は福島の原発近くまで行っているのに紙面ではまったく本当のことが書かれていない、と仰っていました。

記者の自主規制か会社の規制か分からないけど、載らないものに取材に行くのももったいないけど、消される記事というものはどうなってしまうのか。

 

■過去の講演記録■■■

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2016年12月4日(日)

午前10時~12時

ピースアクション講演会

「もしも、自民党改憲草案が実現したら?」

場所 小金井市萌え木ホール

参加費 500円

主催 こがねいピースアクション2015実行委員会

1204内山宙さんチラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

過去の講演関係の

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