▶2014年9月4日 第56回みんなで平和を考えてみる集い

日 時 9月4日(日)10時~12時

場 所 小金井市市民会館萌え木ホール(商工会館3階)

演 題 フクシマから見える日米関係の暗部

    ~“マンハッタン計画”から“トモダチ作戦”まで~

話す人 前田 哲男さん (ジャーナリスト、軍事史研究家)

 前田 哲男さんプロフィール

 1938年福岡県生まれ。長崎放送記者を経てフリー・ジャーナリスト、軍事史研究家に。沖縄大学客員教授。元東京国際大学教授。ビキニ核実験の住民被害調査、重慶爆撃の実態調査、自衛隊、日米安保体制下の現状調査などが主領域。

 主な著書に「棄民の群島」(時事通信社)、「自衛隊の歴史」(筑摩書房)、「新訂版 戦略爆撃の思想―ゲルニカ、重慶、広島」(凱風社)、「隠されたヒバクシャ」(監修、凱風社)など。

【当日の模様】

 

原爆・原発・日米安保

 原爆投下は、太平洋戦争を早く終結させるためではなく、その後の米ソ冷戦を睨んだアメリカの覇権確立と原爆の実践使用での威力の確認、その背後には莫大な軍需利権を見込んだ軍産複合体(死の商人)の意図があったと言われています。戦後米ソ冷戦の最前線となった朝鮮半島と極東での覇権維持のために、アメリカは日本本土への核兵器配備を狙っていました。しかし日本ではヒロシマ、ナガサキでの被爆体験から核への反感が根強く、またビキニ水爆実験で死の灰を浴びた第5福竜丸事件を契機に、原水爆禁止運動が高まっていました。

■原子力の平和利用と核の軍事利用は表裏一体のもの

 アメリカは原水爆禁止運動を反米運動と見て、日本人の反核感情を懐柔するために「原子力の平和利用」をテコにしました。「平和」をキーワードに戦後復興の産業エネルギーとして原子力発電が導入され、世論も10万馬力の原子力を持つ鉄腕アトムの活躍を原子力時代の「科学の子」として喝采しました。

 もともとアメリカ海軍の潜水艦の動力炉として開発された原子炉(原発)と原爆は双子の兄弟と言われています。ヒロシマ・ナガサキの被爆から66年めの鎮魂の夏、フクシマを通じて改めて「核による平和」の問題について前田さんに語っていただきました。

【参加者アンケートのまとめ】

 

【参加者数】

参加者 85人

【参加者住所】

市内56人 市外27人 不明2

【参加回数】

初参加25人 2回目4人 3回以上56

【アンケート回収数】

40枚(よかった32枚 ふつう5枚 よくなかった0枚 無回答3枚)

【講演を知った機会】(複数回答あり)

.郵送案内のちらし(13) 2.市民掲示板のポスター(7) 3.新聞折込のちらし(7) 4.友人・知人から聞いて(5) 5.メディアの案内情報(10) 6.その他(0

 

【参加者の声】

 

1 マンハッタン計画からトモダチ作戦まで、分かりやすかった。アメリカの巧みなプロモーションに迎合する日本国は、私たちの無知な結果であることに気付かされました。私たちが知る術がないところで、さまざまなことが動いていることを痛切に知りました。こうした平和を考えてみる集いに参加できて感謝しています。

2 原子力発電の動力エネルギーが軍艦に使われ、平和利用でアメリカから勧められ日本も取り入れたことを学べた。でも空母、潜水艦などが日本近海で事故を起こす不安も初めて知りました。とても良い講演を聞くことが出来ました。

3  自衛隊15万人のうち7万人が震災救援に行き、武器を持っていなかった。それにもかかわらず日本の安全は保たれていた。この視点は全く考えていない新鮮なもので「ナルホド」と目からウロコでした。

4  安保条約第2条の存在意義がよく分かった。

5  知らなかったことを分かりやすく整理して話していただきました。

6  安保条約第2条の経済条項について、原発との関係があるというのは目からウロコでした。ありがとうございました。

7  前田哲男さんの講演ということで参加しました。今回は、日米関係ということで興味深く傾聴させていただきました。

8  今まで何度か参加してきましたが、60歳以上の方が多いようです。これからのことを考えるともっと若い世代の参加がないと、せっかく大事なお話しが聴けるのにもったいないです。平日の夜とか若い人でも参加しやすい空気を作っていって欲しいです。

9  参加者に中高年が多く若い人が少ないのが寂しい。

10 原発が日本に導入された政治的背景が分かりました。原発には巨大な利権がまとわりつき、その利権を求めて暗躍する政治家や大企業がひしめいています。人類は核物質とは共存できないと思います。処理済核燃料の処分方法が確定しておらず、何十世紀も有害な放射線を出し続けるようなことをこれからの世代には残してはいけない。

 11 脱原発の方向について必要な情報確認ができました。

12 調べなければならないことをたくさんいただきました。ありがとうございました。会場に若い方がいない。これが一番心配です。

13 原発の不安に振り回されていたが原子力空母、原潜の問題に気が付かなかった。確かに大きな問題であると思う。

14 日米安保条約の第2条が原発54基の元になっているという指摘に感銘を受けました。

15 具体的でとても良かったです。原潜についての指摘、大変重要でもっとアナウンスしていかなければいけないと思いました。自衛隊の問題も考えさせられました。

16 日米安保体制のもとでアメリカの野望で原発が導入され、日本の大資本家が受け入れて今日に至った経過が良く理解できました。

   昨月中旬に「原発廃止」の請願署名を国会に持参しました。署名数は700筆と多くはありませんでしたが、河野太郎、阿部知子、糸数慶子、田村智子笠井亮さんが紹介議員になってくれました。

17 大変分かりやすく本当に良かった。

18 マンハッタン計画から中曽根、正力の役割は漠然と分かっていたが、リコーバー大佐からの流れで原発までがよく分かった。大変貴重な講演ではなかったかと思います。マッカーサー率いるGHQとの関係はどうなっていたのか、米の矛盾点としてマッカーサーの更迭があったのか知りたいところです。

19 今日のような講演をもっともっと多くのみなさんに聞かせてあげたいと思います。

20 原子力と原潜への見方が切り離されて誤解していたことが分かった。軍事同盟の本質に迫るお話しとして感銘を受けました。

21 原爆と原発の関係がよく分かりました。

22 日米関係が分かってきて大変良かったです。市民がしっかり連携して、運動に参加したいと思います。

23 言葉を選びながらの講演、非常に面白かったです。

24 原発ゼロと基地ゼロは同列の関係ということがよく分かりました。でも人間はこの期に及んでもどうしてひとりの人間としての立場から考えることをせず、メディアのいいなりの考え方をしてしまうのでしょうか。

25 講演者前田氏の人柄が分かる話し方であった。質疑応答の説明が、逐一的確でした。

26 自衛隊、米軍の災害派遣で国民の評価が高くなっている折だけに、最後に話された部分についてもっと詳しく聞きたかった。

27 第五福竜丸の乗組員の方たちだけでなく、ビキニ諸島の人々にどうして目を向けてこなかったのか、とハッとさせられました。安保条約第2条も然りです。「原爆、原発一字の違い」「空に死の灰、土に毒」というサブタイトルは、「徴兵、懲役一字の違い、腰にサーベル、鉄鎖」のパロディです、という紹介もジャーナリストとしての奥深さを感じました。前田さんのような地味でまっとうなジャーナリストが増えて欲しいな、と思います。

復興支援に軍人を“丸腰”で何週間も使っても軍事上何の支障もなかった。実質は軍縮だった、という点も宣伝したいと思います。

28 原発と原爆は共に核を使用することで人類に被害を与える非常に怖いもので、孫子の時代に負の遺産を残すべきではない。原子力の平和利用とは名ばかりであり、核のごみ処理が不確立な今、原発は断じて止めなければならないと思います。平等な立場で平和的な自然エネルギーで日米関係を築いて行けたらいいと思います。

 

■過去の講演記録■■■

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2016年12月4日(日)

午前10時~12時

ピースアクション講演会

「もしも、自民党改憲草案が実現したら?」

場所 小金井市萌え木ホール

参加費 500円

主催 こがねいピースアクション2015実行委員会

1204内山宙さんチラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

過去の講演関係の

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