日時 3月2日(日)10時~12時
会場 小金井市市民会館萌え木ホール(商工会館3階)
演題 この国はどこに行くのだろう~「日の丸・君が代」強制と教育の未来~
講師 齊藤園生(さいとうそのお)さん (弁護士、自由法曹団東京支部事務局長)
■齊藤園生さんプロフィール
1963年生まれ。京都大学法学部卒、93年弁護士登録(東京弁護士会)、八王子合同法律事務所所属。07年さいとう法律事務所。 現在 自由法曹団東京支部事務局長、全教常任弁護団
担当事件 日の丸・君が代訴訟(都教組八王子支部)、ノーモアミナマタ国賠訴訟、東京大気汚染訴訟、圏央道天狗裁判、中野区立保育園雇止め事件、全医労不利益変更事件
【当日の模様】
■日の丸・君が代を強制し、教育の国家統制を強める安倍政権のねらい
春は卒業、入学と希望に燃える季節。しかし公立学校の卒業・入学式では日の丸掲揚・君が代起立斉唱が強制され、不起立の教員には懲戒処分が乱用されています。日の丸・君が代が戦前、戦中にどんな役割を果たしてきたのか、軍国主義とアジアへの侵略の象徴だったのではないか。安倍自民党政権は「戦後レジームからの脱却」として愛国心を養うとした教育基本法の改悪に始まり、「教育再生実行会議」を通じて教育委員会制度の見直し、道徳の教科化、教科書無償措置法の改悪、教科書検定基準を見直し領土問題や歴史認識について政府見解を反映させようとするなど、教育の国家統制を強めています。
まさに平和憲法のもとの戦後教育の否定、破壊にほかなりません。
日の丸・君が代訴訟を戦った齊藤弁護士に、戦前教育、愛国心教育への回帰を目指す安倍政権のねらいと、憲法と教育の未来についてお話しいただきました。
【参加者アンケートのまとめ】
【参加者数】 |
参加者 49人 |
【参加者住所】 |
市内28人 市外21人 |
【参加回数】 |
初参加1人 2回目7人 3回以上41人 |
【アンケート回収数】 |
15枚(1.よかった15枚 2.ふつう0 3.よくなかった0 ) |
【講演を知った機会】(複数回答あり) |
1.郵送案内のはがき(14) 2.市民掲示板のポスター(1) 3.友人・知人から聞いて(0) 5.メディアの案内情報(1) 6.その他(0) |
【参加者の声】
1 熱の入った講演でとても良いと思いました。教師は残業手当がないとは知りませんでした。1人世帯の子どもの貧困率については、初めて知りました。日本人がこれについて“恥”を知らなければいけないと思います。 |
2 現在の教育現場の状況が“まざまざ”と目に見えるようにお話しされ、さらに貴重な資料も具体的に示されており大変有意義でした。 |
3 教育の現場が直面している重い問題について明解に分析されていた。とても参考になりました。 |
4 私には教育現場の実態がよく分かっていませんが、安倍(首相)が戦後教育を憎んでいるのは何故か、軍国主義的教育を夢見ているのではないかと思います。 |
5 安倍政権誕生後の動きには、ゾッとすることばかり。特に教育への介入には強い危機感を持っていました。 |
自分の子どもは、すでに成人した為、現場、これからの子どもたちの将来が気になっています。後から悔やむことにならないためにも、今できること、すべきことを探っていきたいと考えていました。よいお話しが聞けてよかったと思っています。実際に裁判を闘った弁護士の先生からの話ということで、内容に力のようなものを感じました。 |
世の中全体が何かおかしい、オリンピックに向けてますます締め付けが厳しくなりそうな雰囲気に憤っています。このような場は本当にありがたいです。 |
6 国旗掲揚、国歌斉唱の細かい指示に驚きました。「公務員だから従え」というのはネットでも見たことのある意見です。でも教員が国家に忠実なだけでよいのかと思います。国の定めた方向が間違っていたら異を唱えなくてよいのか、と感じます。 |
7 出席者が年金暮らしのような方が多かったことが少し残念に思います。かつて40年くらい前の人づくり政策が功を奏した(圧倒的に数的に多い考えない人)のか、投票率46パーセント(都知事選)の中で当選した知事がいかにも大きな顔をして安倍政権のそのまま知事となる現実に対して、あきらめずに若い人、まわりの人に働きかけることの大切さを思いました。 |
8 現在の危機的状況を現場のことも入れて具体的にあぶりだしており、意義のある講演でした。 |
9 首相、担当大臣の“強制するものではない”という発言は重い、とのお話し、米長さんが都教委の委員のとき、天皇に“都の強制的なやり方をここまでやっていますよ“と言ったら、天皇は“強制してはいけませんよ”と言われたという。これらのことを都教委はどう考えているのでしょう、この方向は石原都知事になってからです。 |
10 今までテレビ新聞等で報道される程度の知識しかありませんが、教育の現場の実態がよく分かってよかったです。 |
11 団塊の世代です。名古屋の中学時代に授業中、ある先生は我々に“日本は米国の空母扱いにされている”と言っていたことを思い出した。数10年前後楽園スタジアムでアメフトの国際試合が行われたときに国歌が流れ立ち上がらなかった私に“おっ、ここに非国民がいるぞ!”と言った男がいた。今サッカー試合を見に行って国歌が流れる場合は、必ずトイレへ行っております。 |
12 齊藤先生の立場がはっきりしており、熱意がうれしかった。ただこの問題を教師が「子供たちのため」と認識しているのは欺瞞だと思う。自分がやられたくないことを、より弱い立場の子供たちに押し付けたくないという、自分の問題だと教師が認識できればもっと強い力になるのではないか。「子供のため」と思っている限り、「公共のため」といって自分の欲望を満たしている安倍さんたちと同じになってしまう。 |
この問題で市民が連帯できない最大の理由は、私たち一人ひとりが子供のとき親や教師にひどいことを言われたり、扱いを受けたことに対する恨みを、現在の教師たちが苦しむことで晴らしたがっている。友人の大学教員というレベルの人たちでも、この情動を自覚できていないので、コントロールできていない。 |
13 一方的な「上意下達」の教育では、異質の者には闘争、恐怖することになり、戦争で命を捨てる人間をつくり出す。自虐と言われているが、子どもたちに戦争の残酷さや悲劇を共感し、人間のすることの残虐さ、愚かさを知ることで、自分を知ることができて初めて他者のことが分かるようになる。 |
日の丸・君が代について学んでみることが必要で、歌うのも自由だが問題は軍国思想、維新回帰であり、帝国主義思想、皇国史観の強制に問題がある。思想の自由であるはずが、安倍の(考え方は)、「統一教会思想」「神道思想」加えて「仏教原理主義」の考え方の寄せ集め焼き直しできわめて「陳腐」なものだが、それが危険な「ファシズム」性格だと思うし軍国主義者の見本みたいです。 |
齊藤先生のお話は熱心でよかったです。若い人に期待したい。 |