▶2014年12月14日(日)               第63回みんなで平和を考えてみる集い

日時  2014年12月14日(日)10時~12時15分

会場  小金井市市民会館萌え木ホール(商工会館3階)

演題  民主主義を捨ててよいのか! ~歴史の分岐点で、私たちにできることは~

話す人 山口 二郎(やまぐち じろう)さん(法政大学法学部教授、立憲デモクラシーの

    会共同代表)

                                                                                                      

山口二郎さんプロフィール

1958年岡山県生まれ。東大法学部卒業。北海道大学法学部教授を経て、今年4月から法政大学法学部教授。民主党のブレインとして2009年の政権交代を支える。今年4月に憲法学者、政治学者等によって設立された「立憲デモクラシーの会」の共同代表。

 著書に『いまを生きるための政治学』(岩波現代全書)『政権交代とは何だったのか』岩波新書)『集団的自衛権の何が問題か』(共編著、岩波書店)ほか多数。

当日の模様

政治の世界で民主主義を回復しなければならない

 山口さんが共同代表を務める「立憲デモクラシーの会」は、その設立趣旨で「今必要なことは、個別の政策に関する賛否以前に、憲法に基づく政治を取り戻すことである。たまさか国会で多数を占める勢力が、手を付けてはならないルール、侵入してはならない領域を明確にすること、その意味での立憲政治の回復である。

 安倍政権の招いた状況は危機的ではあるが、日本国民の平和と民主主義に対する愛着について決して悲観する必要はない。脱原発を訴えて首相官邸周辺や各地の街頭に出た人々、特定秘密保護法に反対して街頭に出た人々など、日本にはまだ市民として能動的に動く人々がいる。この動きをさらに広げて、憲法に従った政治を回復するために、あらゆる行動を」と呼びかけています。

 いま歴史の分岐点で、私たちにできることについて山口さんに熱く語っていただきました。


【参加者アンケートのまとめ】

【参加者数】

 参加者 100人

【参加者住所】

 市内64人、市外36人 

【参加回数】

 初参加14人 2回目3人 3回以上83人 

【アンケート回収数】

 26枚(よかった25枚 ふつう1枚 よくなかった0枚)

【講演を知った機会】(複数回答あり)

 1.郵送案内のはがき(17) 2.市民掲示板のポスター(3) 3.新聞折込のち  らし(5) 4.HPで(0) 5.友人・知人から聞いて(2) 6.メディアの案内情報(3) 7.その他(1)


【参加者の声】

1 非力、無力感がありますが、あきらめず子ども達のために希望を捨てないで、ささやかな活動を続けたいと思います。私は九条の会員です。福祉国家をめざしての重税に私も同感。自分の考え方の立ち位置を確認できて嬉しく思いました。

この会場も高齢者が多いが「若い人への呼びかけ」をどんな風にしたらいいか、と悩みます。国民の劣化は若い人にも感じますが、今日の山口二郎さんのお話で若い人にも期待したいと思いました。さすがの山口二郎さんでした。500円の資料代で申し訳ない中身の濃い講演でした。ありがとうございました。

2 この度の講演会、総選挙当日ということもあり、やったりの内容でした。今回のテーマにあがったものを、また取り上げて欲しいです。

3 期待通りの内容で大変よかったです。民主党にいっそう頑張って欲しいと思います。自分の政治に対する考え方を整理できました。

4 後半の「対抗勢力を再生する」部分にもう少し時間を割いて欲しかった。野党再編必至の中で、市レベルの市民活動の重要性を再認識しました。

5 大変分かりやすい説明でよかった。東京新聞のコラムで山口二郎さんのお名前を知っていたので楽しみにしてまいりました。でも、結局私のような人がどうすればよいのか、ということが分かりません。今までどおり自分の考えを通すことが一番なんでしょうか?もうひとつ民主党は、はっきりとした意見を掲げてもらいたい。

6 山口先生のお話を直接聞けたよかったです。どうぞお体を大事になさって今後も日本の民主主義の成長に尽くしていただきたいと思います。政治が右に偏っているのを目の当たりにする毎日ですが、私の日常生活のなかでも、一市民が右傾化しているのをよく感じます。先生がお考えになる世の中よりも実際には、もっと身近に民意が右傾化しているのでは、と感じます。どうしたものか、どうしたらよいのか、憂うだけではだめだなと思います。

民主主義を実現する手法として投票とデモしかないのは、今の強権力を行使する政治に対してあまりに弱い手法の気がします。民主党に反政権の受け皿になるように助言してください。大変貴重なお話しをありがとうございました。

7 今の日本の政治の現状をもたらしている様々な要因を分析された点がとてもよかった(安倍のメンタリティの分析も含めて)。選挙制度が昔の中選挙区制から小選挙区制に変化したことも大きな問題だ。基本は完全比例選挙制というのが私の意見であるが、選挙制を変えること、そのプロセスにも言及していただきたかった。

8 希望を失わずに続けてください!ありがとうございました。

9 大変興味深く聞かせてもらいました。率直な物言いがいいですね。

10 暗澹たる気持ちが少し整理される感じがしました。

11 いつも新聞のコラムを読んでいます。まったく、先生の主張どおりと考えます。直接、先生のお考えをお聞きして非常に参考になりました。

12 学問的にもまた現実の政治を考えるうえでもとても興味深いし、今日はよい勉強をしました。絶望ですが、今日はできることをしていかなくてはと思いました。

13 はっきりとした政治主張が聞けてよかったです。

14 鳩山由紀夫さんは政界に復帰しないのでしょうか?自民党を選ばなかった者も、選んだ者の決定のデメリットを引き受けさせることについての倫理的正統性は何か?先回安倍さんは11万票(選挙区の山口県第4区)ほどしか取っていません。11万人は私たちにどのように責任を取ってくれるのでしょうか?彼らが日本の破壊に対して露ほどにも責任を感じないような子育ての仕方を、日本人は自覚すべきだと思う。

普通の子育ての暴力性について、精神医学も心理学も教育学も無視してきました。アカデミア全体で無視していると思います。この全員の無視によって行われている結果が、安倍の人格だと思います。その点をやや取り上げているのが小倉千加子です。戦後最大のタブーではないかと思います。例えば、泣く子に「痛くない、痛くない」となだめること。子はこれが痛くないなら、何が痛いんだと混乱します。

こういう混乱を日々何十年も積み重ねた結果が、安倍さんじゃないでしょうか。安倍さんのメンタリティについては、栗原彬が近衛文麿のメンタリティの背景について書いた論文が参考になります。

15 確認できたこと。そうだったのか、と話がつながった部分もあったりして貴重な講演でした。

16 東京新聞、週刊金曜日では、常時コメントを楽しませていただいています。初めて生で話をいただき、少しは生きていられるのか(生きていてもよいのか)と思った次第です。日本は第一次世界大戦後のドイツに似ているとの話でしたが、であればナチス並みに日本は消滅する訳で実にありがたい。

17 論点が整理されてすっきりしました。

18 私が疑問と思っていたことを話していただいた。

19 私は日本国憲法の概説書を何冊も読んで、ほぼ全体を理解したつもりでいましたが、本日の講師のお話で、日本国憲法の第1章と第2章の成立のうらに、国際的ないわば取引があったという経緯の一面を知りました。天皇が常に遠慮がちに平和国家についての想いを、ちらちらと国民に話されることの意味を理解しました。そのほかにも種々の解説をいただきまして有意義な講演でした。経済面でも分かりやすい解説だと感じました。

私は60年代の安保問題のなかで青春時代を過ごしました。あのときの岸の強行採決で立ち上ったのでした。しかし、その後は自民党を支持してきました。ところが、この20年間であまりにも変わってしまった保守党にあきれ返っています。安倍のじい様(岸信介)に対する劣等感が心の底に染みついている、という心理学的解説には感心しました。さすが山口先生の教養の深さだと思いました。

20 若い人や低所得者層はアベノミクスが怪しいと感じていても、明るさを求めて吸い寄せられてしまうと思います。希望が欲しいのです。政権の欺瞞を暴くと共に、そうした層を導ける具体的な政策・提言・(キャッチコピーなども含めて)を示していかなくてはならないと思います。

21 戦後史の振り返りの部分が特に役立ちました。

22 数字、グラフを使っての政権批判は説得力があった。質疑応答の時間も取っていただいたのはよかった。

23 とてもいい勉強になりました。これからもこのような講演を続けて欲しいです。

24 がっかりした。民主党一辺倒はいかがなものか。


■過去の講演記録■■■

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2016年12月4日(日)

午前10時~12時

ピースアクション講演会

「もしも、自民党改憲草案が実現したら?」

場所 小金井市萌え木ホール

参加費 500円

主催 こがねいピースアクション2015実行委員会

1204内山宙さんチラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

過去の講演関係の

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