日時 5月18日(日) 10時~12時
会場 小金井市市民会館萌え木ホール(商工会館3階)
演題 政府の憲法9条解釈と集団的自衛権
講師 阪田雅裕さん(弁護士、元内閣法制局長官)
■阪田雅裕さんプロフィール
1943年生まれ。弁護士。1966年大蔵省入省、国税庁などを経て1992年より内閣法制局で総務主幹、第三部長、第一部長、法制次長を歴任。小泉政権期の2004年から2006年まで第61代内閣法制局長官を務めた。現在、アンダーソン・毛利・友常法律事務所顧問。
著書に「政府の憲法解釈」(有斐閣)、「『法の番人』内閣法制局の矜持」(共著、大月書店)他
【当日の模様】
■憲法9条の解釈変更による集団的自衛権容認は暴挙
講師の阪田雅裕さんは、小泉政権時に第61代内閣法制局長官を務めました。
阪田さんは、もし我が国がこれから、政府がずっと言い続け、国民もそのように考えてきた憲法9条のもとでの平和主義とは異なる路線を歩もうとするなら、しっかりとその是非と覚悟を国民に確かめる、つまりは憲法改正という王道を歩むべきだ、と言います。
たまたま時の政権が「時代が変わったので憲法解釈を変える」というのは、行政が憲法に従うという「立憲主義」の否定で、政治が決断すれば何でもできるという考えは非常に危険です。
護憲、改憲という立場の違いを超えて、戦後60余年の積み重ねられた憲法解釈の重みを踏まえて、なぜ解釈改憲が許されないのかをお話ししていただきました。
【参加者アンケートのまとめ】
【参加者数】 |
参加者 159人 |
【参加者住所】 |
市内110人、市外48人、不明1人 |
【参加回数】 |
初参加46人 2回目20人 3回以上92人 不明1人 |
【アンケート回収数】 |
45枚(よかった42枚 ふつう2枚 よくなかった0枚 不明1枚) |
【講演を知った機会】(複数回答あり) |
1.郵送案内のはがき(21) 2.市民掲示板のポスター(4) 3.新聞折込のちらし(14) 4.友人・知人から聞いて(9) 5.メディアの案内情報(2) 6.その他(1) 不明(4) |
【参加者の声】
1 とても論理的な解釈と説明で分かりやすくて理解しやすかった。 |
2 内閣と内閣法制局の位置づけが明快に説明されてよかった。平和主義を守るために安倍政権を何としても倒したい。その運動が必要。 |
3 情緒に訴える安倍氏に対し、理論で論理で明快に明確に冷静に思考したいと強く思いました。 |
4 国の大きな問題に若い人のほとんどが関心がないことに憂います。また、あったとしてヘイトスピーチや尖閣問題で強く行動する人が目立ち、また憂います。若い人がまず知ろうとする動きが出て来ることを望みます。難しいと思いますが若い人たちを引っ張れる会が生まれることを希望します。今、ヒットラー台頭時のドイツ人の歓迎振りを思い出し、時代は繰り返してしまう危機を感じています。それで本日は勉強しに参りました。 |
5 大変明快な解釈で説得力があり、力強い励ましを頂いた。 |
6 9条2項の戦力不保持の規定と自衛隊の位置付けから改めて考えてみる必要があると思いました。(自衛隊の位置付けを憲法の解釈上でもう一度世の中で明確にすべき)一般には自衛隊=軍隊の認識が広まっているので。今日の講演、大学などで若い人向けにぜひお願いしたい。内閣法制局の立場もよく分かりました。ありがとうございました。 |
7 元「法の番人」の長官でいらした阪田さんのお話し、司法府の立場、内閣法制局の立場がよく分かりました。司法府のこの弱さ、なぜものを言わないのか?三権分立の一つなのに…と思っていましたが、行政機関の一つである、また内閣法制局も同じ、との話に衝撃を覚え、不安にもなりました。でも、だからこそおまかせ民主主義はダメ、という再認識にもつながりました。でも戦後60年積み上げ、先の戦争では全ての国民の犠牲を強いてきた経験から守ってきた憲法をないがしろにする今回の動きに阪田先生も怒っていらっしゃるのですね。 |
8 非常にタイムリーでした。 |
9 法律、憲法について、元政府高官の話を直接聞けて勉強になった。 |
10 憲法遵守を次世代に伝えたい。 |
11 他国への武力行使をしないために具体的な行動を考える参考となった。 |
12 日本を代表する法律実務家の憲法や法律その他のものの見方、考え方を聞く大変貴重な機会であった。講師に敬意と謝意を表します。質問へのご回答も大変ていねいで適切でした。今後のご活躍を期待しています。 |
13 集団的自衛権は憲法9条に大きく反することがよく分かりました。現政権の政府解釈は全く理解できません。集団的自衛権の行使には反対します。現内閣の暴挙を止めることができるのでしょうか。 |
14 よく分かりました。立場の違う人の立場で理解でき、安倍政権の解釈はどう考えてもおかしい。 |
15 憲法をもう一度勉強したいと思います。 |
16 先生の最後の発言を言い換えると、今回の解釈変更はドロボーがこれは犯罪じゃないと言えば犯罪じゃなくなる、と言うことだと思います。1億3千万人分の1千100万人(ママ)強の有権者に選ばれた安倍首相が、選ばなかった残りの1億2千万人強の人々の意向を無視して判断の結果、起こりうるすべての不都合を押し付けることを正当化する理由は何か?今回の解釈変更の正統性を担保するのは何か?「朕は国家なり」では、北朝鮮と同じだ。 |
17 テーマは非常に難しい、それ故理解できましたとはなかなか言えない。新聞の記事、テレビでの討論等でいろいろな意見を知る機会はあるが、本日のように直接生の声でお考えを聞けることは貴重なことでした。 |
18 話し方がよかったです。 |
19 問題点がよく分かってきました。ありがとうございました。 |
20 時代の流れによって9条を考えたいです。 |
21 ありがとうございました。とても有意義な集いでした。 |
22 非常に論理的なかつ分かりやすい説明でした。前段に十分に説明した結果、もう少し後段にも細かい説明が欲しかった。 |
23 政府内部組織の法制局長官のお話は普段は聞くことができないことです。貴重なお話しでした。 |
24 今回九条解釈改憲反対の決起集会かと思った。ぼくも5月16日付朝日新聞の一面を読んで怖さを感じた。なにか行動しようと思った。まずはいま九条について何が起こっているのかを勉強したかった。 |
25 法制局の考え方、立場が分かった。 |
26 立憲政治の基礎的知識がゆっくり、じっくり話され、今回のテーマに迫っていき納得いくお話しでした。 |
27 9条に賛成して守るべきだと思いますので、阪田氏とは意見の相違。しかし私は中国が何を考えているか分からないので考慮中。阪田氏の意見が聞けて安心しました。針生先生お身体を大切にしてください。 |
28 複数の事例を挙げながら集団的自衛権と個別的自衛権の違いを明確に説明していただきたかった。 |
29 会場が狭く残念だった。 |
30 NHKスペシャル(5月16日22時放送)に阪田先生に出演していただきたかった。 |
31 大いに参考になった。 |
32 民主主義の何たるかを身に着けないうちに改悪への道とは呆れるが、「憲法の精神」を戦前の「教育勅語」のように暗唱させねば。針生氏のお話は意味深いものである。戦争は戦争勢力が戦争を起こすことによってその存在価値がある。民衆はそれに騙されないこと、幼児たちは争いも知らず無邪気なことだろうが、大きくなるに従い大人たちが敵を教えて行くが、虐待すれば他者も虐待する。軍人の考えには大方そんなところが含まれていないかと思う。 |
33 同時代、同クラスにて法律を学んだ一人としてまったくの同一見解にて、現状の政府の動きに関し全くの疑問にて心強く思った。一般の人にも極めて分かりやすかったのでは、と思う。 |