▶2014年10月12日(日) 第4回憲法学習会

日 時 2014年10月12日(日) 10時~12時

会 場 小金井市商工会館2階ホール

演 題 安倍政権の右傾化する教育再生策と子どもたちの未来

話す人 野原 明さん(教育ジャーナリスト、文化学園大学名誉教授)

■野原 明(のはら あきら)さんプロフィール

 1936年生まれ。58年(京都)大学卒。記者として放送界に入り、83年NHKの教育担当解説委員。93年NHKを定年退職、文化女子大学教授。00年同大学附属杉並中学高等学校校長を兼務。11年退職。文化学園大学名誉教授、杉並中学高等学校名誉校長。

 NHK解説委員時代は、大学入試の改善・大学改革など教育改革全般について歯に衣着せぬ論評を加え、NHKらしくない解説委員といわれてきた。学校現場で数々の経験を積み、私学界でも指導的な役割を果たす。 


【当日の模様】

■教育再生ではなく教育破壊で子どもたちの未来はどうなるか

安倍政権は「戦後レジームからの脱却」として愛国心を養うとした教育基本法の改悪に始まり、政府に「教育再生実行会議」を、自民党に「教育再生実行本部」を設置して、首長による政治介入を強める教育委員会制度の見直し、大学の教授会自治を壊す学校教育法の改悪、道徳の教科化、教科書検定基準を見直して領土問題や歴史認識について政府見解を反映せようとするなど、教育の国家統制を強めています。

まさに平和憲法のもとの戦後教育の否定、破壊にほかなりません。「特定秘密保護法」の強行制定や閣議決定による憲法無視の「集団的自衛権の行使容認」などと連動しています。 

  毎年、卒業・入学式で繰り返される「日の丸・君が代」強制による教職員の不当処分や、職員会議での挙手採決禁止などの言論統制は、教育現場を委縮させて戦後の平和教育を担ってきた教員たちの思想・良心・表現の自由を奪っています。

右傾化した戦前回帰の安倍内閣の教育再生策は、子どもたちの自律を阻害して学校現場に多くのひずみを生じさせています。こうした現状と子どもたちの未来について参加者とともに考えました。


【参加者アンケートのまとめ】

【参加者の人数】

参加者 51人

【参加者住所】

市内32人 市外19人 

【参加回数】

初参加2人 2回目0人 3回以上49人

【アンケート回収数】

22枚(1.よかった19枚 2.ふつう0 3.よくなかった0 無回答3)

【講演を知った機会】(複数回答あり)

.郵送案内のはがき(18) 2.市民掲示板のポスター(0) 3.友人・知人から聞いて(0) 5.メディアの案内情報(0) 6.その他(1) 無回答3


【参加者の声】

1 子どもも大きくなって現在の教育現場の実態を知ることができません。今日は、空恐ろしくなる現実を知りました。なんとかしなくては、と思いますが・・・

2 20年ほど前に小学校の教員でしたが、その頃の現場を思い出しました。その頃から現場が忙しくなり会議も増えました。先生方の時間も少なくなりました。国語の文学教育に興味を持っていまして、テーマ主義に偏っている教育をそれぞれの考え方を(生徒に)出させ、みんなで話し合いを深めていったことを野原先生の話を聞いて思い出しました。

  今、現場はものすごく忙しく、教科書の内容を考えるひまもなくそのまま教科書をなぞる教育になり、それぞれの考えを出し合う教育などできない、と言っています。(教師の会議が多く校長に提出する書類が多く、校長もその文を訂正したり管理教育です。)

  若い教師が争うことが嫌いで(従っている方が楽なので)、そのように育っている人が多いので上の人の言いなりになっているそうです。教育が変わっていっても仕方がない。教科書どおりになってしまう。教師ばかりでなく親の育て方で考えも出来てくるので(大変な世の中なので)がんばらなければと思います。

3 「安倍教育再生」の問題点を分かりやすく話してくださり良かったです。

4 現在、政権によって押し進められようとしている「改革」の実態が、リアルに説明されてとても説得力があった。「上からの改革」の空虚な姿、何とも貧しい内容が権力によって推進されていることに恐怖を感じる。こうした動きの底には支配者の恐怖がある。民衆への恐怖(民衆が目覚めることへの恐怖)、これへの対抗軸をどうつくっていくか?

5 ありがとうございました。教育こそどこの国の男女、誰にとっても大事なことです。今日のテーマについてももっと考えていきたいと思います。安倍政権のこれからについても。

6 ふだんあまり考えていない教育問題を身近に考える一助になりました。小金井市の教育委員会も形式に流れているとの話を耳にするので、市民の積極的なウオッチが必要ですね。また小さい子どもからモバイルに親しむ時代で、家庭での考える力を養う教育の難しさを感じました。やはり、夕食後の会話と図書ですかね。

7 政治が教育に介入してくることの怖さを思いました。安倍政権が急かされているように物事を決めていくの

8 大変中身の濃い講演でした。共感することばかりです。質疑のなかにも出ていたように、子育て中の若い方々、青年層にぜひ聞き考えてもらいたい内容でした。野原先生にはこれからもずっとお元気で「まとも」な意見を発言し続けていただきたいと思います。

9 お話はとても分かりやすかったです。若い方が来ないのは、彼らが社会に目を向ける余裕がないからだと思います。友達とつながりを切らないために大半のエネルギーを使っていること、実際に経済的に余裕がないことが理由ではないかと思います。

10 日本の将来を担う子どもたちの教育はどうなっているか。先生たちはどんな問題を抱えているか、気になるところです。本日は右傾化する教育再生策など、広く専門家(現場を知っている)の話が聴けて、勉強になりました。もの言えぬ(言わぬ)先生たちに一般市民としてどんな活動なり運動なりができるかと思いました。

11 安倍政権の危険な教育政策について、とても分かりやすい説明でよく分かりました。

12 性急な政策で不安でしたが、その元が少し分かりました。皇国史観が21世紀の今も大手を振って歩いていることに驚きました。

13 小中校と私学に息子を通わせたのですが、独自の教科書(国の検定ではない)で6年間身についたものは、いまだ守れている気がします。礼儀他、人間として生きていくための道徳(?)本人も一番に人間として平等の大切さをいつも持っている。「でも、誰も助けてはくれないのだよ」と私は言っています。しかし、(息子は)自分で子どもをつくる気がありません。「こんな世の中に子どもを無責任に産めない」と言います。もう40歳過ぎているので、それはそれでいいかな、と私は思うのですが。

14 誠実な教育専門家の見解、子どもたちに自分でもっと考えられる力を!押しつけではなく!は、素朴ではあるが本質的指摘だと思う。

15 考える教育という意味はよく分かりました。パソコンを使った教育は、考える教育に効果はあるのでしょうか。

16 若者が生活できる世の中をつくっていくには! (息子たち)4人が自宅に一緒にいます。早く自立して欲しいものです。 

17 ブレーンがいない、ということが分かったが、あの人の思考は文鮮明や日本会議の洗脳によるものと先祖がえり、自民党の女性大臣と同列、同程度ということで(類似性があることは同じく洗脳されているから)、画一的で理想が欠落している。

18 Q&Aのなかで「新聞を読んでない人」は採用しない、という講師のことばが心に残った。質問できなかったが、塾へ行ってる子ども、パソコンをやっている子どもの割合は?子どもの貧困が言われているなかで気になることです。

19 自分で考える力をつける教育の必要性は同感ですが、安倍さんもそう考えているのではないかと思います。日本の若者、大学生は先進国で元気度最下位の調査があります。彼らは新聞や本を読まない、それでは社会の問題に関心がない、問題意識が生じない。だとすると職業意識、職業選択は何を基準においてされるのか、受け身の主体性のない生き方になるのではないか。人生の生き方を学んでないのでは、社会人になるために必要なことを学んでないことに問題があるのでは。

20 教師の役割についての話は、ステレオタイプで困った。

21 NHKの視聴料ボイコット運動がNHKのOBから出ておりますが、NHKの右傾化についてどのように考えられますか。


■過去の講演記録■■■

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2016年12月4日(日)

午前10時~12時

ピースアクション講演会

「もしも、自民党改憲草案が実現したら?」

場所 小金井市萌え木ホール

参加費 500円

主催 こがねいピースアクション2015実行委員会

1204内山宙さんチラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

過去の講演関係の

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